松尾大社(まつのおたいしゃ)DATA
【御祭神】大山咋神(おおやまぐいのかみ)・中津島姫命(なかつしまひめのみこと:市杵島姫命の別名)
【社格等】延喜式内社(名神大社)・官幣大社(明治四年)・二十二社(上七社)・別表神社
【創建】大宝元年(701年)
【主な祭典】例祭(4月2日)・松尾祭(神幸祭:4月20日以降の最初の日曜日・還幸祭:神幸祭3週間後の日曜日)
【摂末社】月読神社(月読尊)・櫟谷宗像神社(奥津島姫命・市杵島姫命)・四大神社(春若年神・夏高津日神・秋比売神・冬年神)・三宮社(玉依姫命)・衣手社(羽山戸神)ほか
【見どころ】本殿(1397年造営の松尾造:重要文化財)・亀の井(酒に混ぜると腐敗しないといわれる霊泉)・松風苑(日本庭園)・神像館・お酒の資料館
【場所】京都府京都市西京区嵐山宮町
全国1300社あまりの松尾神社の総本宮であり酒の神
賀茂社(賀茂別雷神社・賀茂御祖神社)とともに、「賀茂の厳神、松尾の猛神」と称せられた、皇城鎮護の神社である。
「まつおたいしゃ」とも呼ばれるが、正式には「まつのおたいしゃ」。松尾神は、当時湖だった丹波地方を亀に乗って開拓したと言われ、松尾大社の神使は亀となっている。
松尾大社は「酒の神」としての信仰篤く、狂言「福の神」に、松尾神は「神々の酒奉行」とされる。これには、渡来系氏族の秦氏が何らかの技術力を有していたためだとか、日本書紀(雄略紀)に登場する「秦酒公(はたのさけのきみ)」の影響力があったなどと言われている。
境内にある「亀の井」は酒質を腐らないものに変えるとの伝承があり、これも全国の醸造家から信仰を集める一因となった。
主祭神は大山咋神と中津島姫命の二柱であるが、一般的な祭祀形態である夫婦神のかたちをとらない。
大山咋神は、古事記の大年の神の系譜に、「大山咋の神、またの名は山末の大主(やますえのおおぬし)の神。この神は近つ淡海の国の日枝の山にます。また葛野の松の尾にます、鳴鏑を用ちたまふ神なり」とあり、古くから日吉大社の神と同神として信仰されていた。五世紀ころ、秦氏がこの地方に入植し、背後の松尾山の神を氏神とした。大宝元年(701年)には、文武天皇の勅命で秦忌寸都理(はたのいみきとり)が社殿を設け、松尾山の磐座の神を勧請した。
中津島姫命は、宗像大社に祀られる市杵島姫命のことであり、戊辰年三月三日に松埼日尾に降臨したとされる。この松埼日尾が、松尾山だと言われている。
神階は、貞観8年(866年)に正一位勲二等、その後、正一位勲一等の極位に達したとされる。
⇒ 松尾大社ホームページ