ニニギ(瓊瓊杵尊)

葦原中国の主として天降した皇祖神

記紀などにおけるニニギの神名表記

【古事記】天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)・日子番能邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと)・天津日子番能邇邇芸命(あまつひこほのににぎのみこと)
【日本書紀】天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎのみこと)・天津彦国光彦火瓊瓊杵尊(あまつひこくにてるひこほのににぎのみこと)・天津彦根火瓊瓊杵尊(あまつひこねほのににぎのみこと)・火瓊瓊杵尊(ほのににぎのみこと)・天之杵火火置瀨尊(あめのぎほほぎせのみこと)・天杵瀨命(あめのきせのみこと)・天饒石国饒石天津彦火瓊瓊杵尊(あめにぎしくににぎしあまつひこほのににぎのみこと)
【先代旧事本紀】天津彦々火瓊々杵尊(あまつひこほのににぎのみこと)・天饒石国饒石天津彦々火瓊々杵尊(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)・天孫天津彦火瓊々杵尊(あまのみまこあまつひこほのににぎのみこと)
【古語拾遺】天津彦尊(あまつひこのみこと)・皇孫命(すめみまのみこと)
【常陸国風土記】珠賣美萬命(すめみまのみこと)
【日向国風土記】天津彦彦火瓊瓊杵尊・皇孫尊(すめみまのみこと)・裒能忍耆命(ほのににぎのみこと)
【伊豆国風土記】瓊瓊杵尊

古事記におけるニニギの系譜

【父】正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)
【母】萬幡豊秋津師比売命(よろづはたとよあきつしひめのみこと)
【兄】天火明命(あめのほあかりのみこと)
【妻】神阿多都比売(かむあたつひめ:コノハナノサクヤビメ)
【子】火照命(ほでりのみこと)・火須勢理命(ほすせりのみこと)・火遠理命(ほのおりのみこと:天津日高日子穂穂手見命)

古事記における主な記述(上巻)

【天降】正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命に天降の命が下った時、子供が生まれたために、邇邇芸命に「この豊葦原水穂国は汝の治める国だ」と言って天降させた。邇邇芸命は、竺紫の日向の高千穂の霊じふる峰に天降し、「ここは韓国に向ひ笠紗の御前にま来通りて、朝日の直刺す国、夕日の日照る国なり。かれ此地ぞいと吉き地」と詔し、宮殿を建てた。
【木花之佐久夜毘売】笠紗の御前で木花之佐久夜毘売に会い、結婚した。その時に一緒に奉じられた石長比売は、醜いからといってその父神大山津見のところに送り返されたために、その怒りに触れて、皇孫の命は短くなった。
一夜で身ごもった木花之佐久夜毘売の貞節を疑ったために、「天孫の子ならば無事に生まれるでしょう」と言って、木花之佐久夜毘売は火の中で子を産み疑いを晴らした。

ニニギを祀る主要神社・史跡

霧島神宮】 鹿児島県霧島市霧島田口
【可愛山陵】 鹿児島県薩摩川内市宮内町

言霊の杜